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エロゲ レビュー ブログ
【臭作】
臭作

syusaku1.jpg

メーカーelf
シナリオ■■■■■■■■ 8
グラフィック■■■■■■■■■ 9
キャラクター■■■■■■■■■ 9
音楽■■■■■■□ 6.5
魅力的な非攻略キャラ■■■■■■■■■■ 10
総合【A】 80点

凌辱ってスバラシイ(?)

大御所エルフの記念すべきWindows版第一作は、このオッサンが女子高生に追い込みをかける「臭作」なる陵辱系ソフトでした笑。本当にエルフという会社は、大御所のくせにそういう節目とかを気にしないあたりが大好きです。

【シナリオ】
前作の故・遺作様の弟である臭作大先生が私立お嬢様音楽学院寮で大暴れする作品です。寮の管理人として学院寮にもぐりこんだ臭作大先生が、いたるところにカメラやビデオを仕掛け、盗撮によって得た獲物をもとに生徒にゆさぶりをかけHに持ち込む陵辱ゲーですね。伊頭家三部作にして、一番の名作なんじゃないかなと思います。とにかくよく出来たゲーム性というかシステムというか…ほんっとうに面白いんすよ!コレ!

各ヒロインの行動予測を立てながら、どこにカメラやビデオを効率よく仕掛けて、いつ回収するかなどを考えつつ臭作を操っていきます。時間内により勿論臭作の行動回数にも限度がありますし、仕掛けたからといってそこでいいネタが取れるという保障も全くありません。各ヒロインの行動と合致しなければならないわけですね。また、どのタイミングで脅しをかけるかなども考えながら行動していかないと、キャラによっては堕ちるまで至らず反撃に出られてお縄を頂戴…なんてこともしばしば。非常に高い戦略性を問われるゲームなんですよ…なのでいい絵が撮れていた時なんかはなんというか、ええ、凄い達成感といいますか優越感といいますか……危険なゲームですねコレは笑

こんなふうに字だけ追っているとすごい鬼畜なんですけど、臭作大先生の微妙なギャグセンスとキャラクターが作品をおどろおどろしくさせないのも非常にうまい演出です。

また本作、ただ陵辱しつくして終わるわけではないところがさすがの蛭田作品ですね。陵辱系のゲームはそんなにプレイしているわけではないのですが、大抵は主人公(プレイヤー)が下衆で女性を攻略していくものだと思います。本作も例に漏れずその形式なわけですが、その設定を逆手にとったラストのドンデン返しは度肝を抜かれました。Hシーンの度に視点を引いた第三者(ユーザー)視点か臭作視点かを選択できるのも、ただユーザサービスというわけではなく、そのラストへの伏線となっているとは当初思いもしませんでした。

と、伏字すれすれのとこですが…。

絵里以外の全員を陵辱状態にし、且つ臭作視点のHを繰り返し続けていると、絵里VSユーザールートに入ります。ゲーム内で臭作視点を繰り返し続けることにより、ユーザーがゲーム内の臭作に、そして臭作大先生がPCの向こうでユーザーに、と入れ替わってしまいます。

そして絵里だけは、ゲーム開始時から臭作大先生とゲーム全体の違和感に気づいています。彼女はことあるごとに臭作大先生を問い詰めてきますし、仕掛けた罠も決定的なところはすべてかわされてしまいます。そしてラスト、PC画面のこちら側にいる臭作大先生・ユーザーに語りかけてくる絵里、メニュー画面などでナビゲーター役のキャラがユーザーに語りかけるってのはよくありますが、このように本筋の一番の山場でこれを行うってのは、なんというか凄い勇気というか奇抜で個人的には面白かったです。そりゃーね、絵里とここで手合わせない人などいないでしょっ



【グラフィック】
さて、おなじみのエルフ起動画面で、いきなり妖精が臭作大先生にレイプされるのがもうセンスあふれる感じではありましたが…。

原画は堀部秀郎さん、本当におつかれさまでした。前述の通り、Hシーンで視点を変えることができるというのが凄かった本作、ただでさえエロシーンがくそ多いというのに、1シーンにつき2パターン描かなければならなかった堀部さんは大変だっただろうと思います。しかしおかげさまで当時たくさんお世話になりますた m(_ _)m。この手のゲームは、面白いものはえてしてHシーンが淡白なものが多いですが、この濃さは賞賛に値しますよ。作画も僕好みで良かったです。

臭作大先生の気持ち悪さもよく出ていますね笑



【キャラクター】
どのお嬢様もそれぞれ高い魅力を持っていますので、征服感といった本能的欲求をものっそい満たしてくれます。典型的お嬢様キャラの渚…だからこそ落とした時の向こうの失望感がたまらない、超高飛車な香織…だからこそプライドをへしおるのがたまらない、門限破りの遊び人萌子…だからこ強引に引きこむのがたまらない、三つ編みメガネおっとりな志保…だからこそ勢いよく犯すのがたまらない、姉御系の朝美…だからこそ屈服させる過程がたまらない、ロリピンクの千秋…だからこそ現実を教えてやる感じがたまらない。。。うーん、いやホント凌辱系は範疇外なんですよ。でもこの伊頭家シリーズを心底楽しんでしまったからこそ、「凌辱系キライ」と言えなくなってしまいました。


エロゲ好きなら誰もが参考にする『批評空間』、「魅力的な非攻略キャラ」って項目あるじゃないですか。まぁいいゲームならば大抵は「このコが攻略できないのか~」ってキャラはいるわけですが、僕が今までプレイしたすべてのエロゲの中で最もそれを感じているのが、本作の「高部絵里」です。

このお嬢様集団の中にいながらにして、彼女はとても普通の子でありたいと願っていて、実際その言動は世間ズレすることなどまるでなく、とてもしっかりしたものです。そういったところも好感度が大きいんですよ。ヒロインとしての格が非常に高い設定なんですね。何度も何度も彼女を落としたい!と願いました。絵里を絶対陵辱してやるんやーーー、と臭作大先生と同化していた私はエルフの思うつぼです。

そして落とせない事実…orz、メインヒロインを落とせないなんて。ここは賛否両論でしょうが、だからゆえに本作がどこか格式の高いものになったことは間違いありません。

ちなみに後に発売されたDVD版では最後に絵里をレイプするシーンがあるみたいですね。ユーザーの要望が強かったんでしょうね~。ただ、これらの追加シナリオ分は評判が総じて悪いようです…がそれでも絵里とのHシーンがあるってだけでも金を落とす価値があるかも!

最後に臭作大先生ですが、前作遺作は完全に恐怖の象徴でしたが、本作は、セリフがいちいち面白く、ユーモアに富んでいる何だか憎みきれないおもろいオッサンです。まぁやってることはありえないくらいひどいんですけどね。


【音楽】
最後に音楽ですが、特筆すべきものはなし。ただ、陰湿な計画が暗躍している隔離された施設、って感じの雰囲気はよく出ています。


てなわけで凌辱ゲーの金字塔、臭作でした。
これ書いていたら凄くやりたくなってきたので、ちょっくらまたプレイしてみます。


関連レビュー: 遺作
関連レビュー: 鬼作



テーマ:美少女ゲーム - ジャンル:ゲーム

【百鬼~淫黙された廃墟~】
百鬼~淫黙された廃墟~



メーカーelf
シナリオ■■■■■■■□ 7.5
グラフィック■■■■■■■■■ 9
キャラクター■■■■■■■ 7
音楽■■■■■■ 6
ロケーション■■■■■■■■ 8
総合【B】 73点

軍艦島クオリティー

僕は、初めてやったエロゲが「下級生」で、続いて「同級生」シリーズをプレイしすっかりこの世界の凄さというか良さを知ってしまいました。その後、エルフと勘違いして買ったF&C「同窓会」が個人的不発だったため、「やっぱエルフだからおもろいのかな」と思いつつプレイした「遺作」「臭作」で改めて溜飲を下げた・・・という圧倒的なゴールデン蛭田ルートを通ったエルフ信者でした(実はYU-NOだけプレイしていないというと罵られそうですが、リメイク版を待ち続け幾星霜―)。そんな僕ですので、エルフ作品だというだけでそれなりの評価をしてしまいます。あんまり評価高くないんですよねー本作。けっこうな名作だと思うんだけどなぁ。

【シナリオ】
かつて石炭採掘の要衝として栄華を成し、労働者とその家族で東京を遥かに凌ぐ人口密度を誇った応化島―、島には高層アパートをはじめ学校、病院、神社…と、町としての機能がひととおり揃っていた。しかし主要エネルギーが石炭から石油に移行するとともに島は閉山。住民は消え、そこには廃墟となった島だけが残った―と、舞台はそれから10年後の話です。友人の高志に誘われるまま、いまは廃墟と化した応化島のミステリーツアーに参加した竜一。ツアーには、ふたりの他に、幼馴染の妹キャラ若葉、少し年下の女の子コンビ元気っ子宏美と眼鏡っ子祥子、油ぎった中年社長篠原とその妻とも子、また彼らに因縁のありそうなガタイのいいオッサン伊藤、さらにツアーコンダクターの大石と恵美さんが参加しています。思い思いに島を探索する面々でしたが、竜一たちチーム若手の4人が発見したある事実を引き金に、凄惨な事件に皆は巻き込まれていきます。島に隠されている秘密と悲劇を見つけられるか、ってな感じですか。

シナリオは、ま、勿論BAD ENDなんかもありマルチエンドですが基本的に、「ミステリールート」「応化ルート」「言霊ルート」「百鬼ルート」の4パターンに分類されます。ミステリールートは字の如く、ストーリーで起こる殺人事件を解決する現代でのルート、応化ルートは祥子と宏美の個別END、言霊ルートは背景となる場面を描きつつのエロシーン集、でそれらのルートからの条件(15の小説を回収だったかな?)を満たすと、応化島の過去、つまりミステリールートに至る経緯が描かれる百鬼ルートが追加されます。百鬼ルートのラストはかなり良かったので最後までプレイすることをおすすめします。伏線未回収のまま終わるミステリールートを各ルートで多角的に補完する流れは非常にうまく、評価できます。

でもミステリールートは正直ミステリーとしては弱いんですよね。学校探索中にあかりの死体保存を発見してしまってから、通信が途絶え、翌日に迎えがくるまでの間次々に参加者が殺されていく過程自体は迫るものがありましたが、なにぶん期間が一晩と短いうえに、その要因も直接犯こそ恵美ですが、黒幕はいきなり出てきた大河内財閥の義昌ぼっちゃんという新キャラであると共に、理由もそれまでのキャラに起因する理由ではなく、あかりを見つけられたから皆殺しという完全に彼のエゴであるため、なんだか拍子抜けだったのが実際のところです。

ミステリーツアーも、島の所有者である大河内財閥会長気まぐれで行われた、それで義昌が監視役として恵美をよこしたというのも理由付けとしてあまりにも弱い。というわけでこのルートは一見メインっぽいんですが、世界観堪能&伏線提示ルートだと思った方がいいかもしれませんね~。


百鬼ルートに入るために、物語内で集めなければならない短編15編がありまして、中身自体は本編とはまるで関係ないんですが、この出来が総じて良い、ってのもなんというか勿体なかったかな…これらが破綻することなく本筋ストーリーに絡んでいたら総合評価はもう1ランク上をいっていたと思います。



さてさて、しかしてそしてその百鬼ルートですが、今まで妹のようにキャイキャイ主人公にまとわりついてきていた若葉の存在自体が伏線になっていることがわかります。まぁ彼女は他ルートのENDで、帰路についた竜一の前からいつのまにか姿を消しているという伏線があるので、何かしらのトリックスターであることは薄々わかってはいるのですが、その展開には落涙必至です。物語当初から当然のように"そこにいるように"登場してきますが、実は諸悪の根源である義昌に撃ち殺され死んでしまっている(ということにしておきましょう、とりあえず)彼女、幼馴染設定も作られたものなんですね。


しかし「百鬼~淫黙された廃墟~」とは…、もっといいタイトルはなかったものでしょうか…。実際ストーリーは、悲しい話ではありますがもっと純粋なお話でして、このタイトルだと鬼畜系っぽくて導入部分ですでにユーザーを選んでしまいそうじゃないですか。タイトルって重要だと思うんですよねー

余談ですがこのゲームで初めて僕は端島、通称・軍艦島の存在を知りました。なんとワクワクする舞台設定をしてきたんだと思ったものですが、まさか本当に存在している島だとは思いませんでした!歴史背景もすべて実在の端島のものと同じなんですね、いつか行ってみたい土地のひとつとなりました。ただ、やはり廃墟なもので今は入島することができないとか…まわりを廻るだけの定期船が出ているらしいですが、それだと面白くもなんともないしな…。



【グラフィック】
塗りはエルフなんで素晴らしいレベルですし、キャラ絵自体もエルフっぽくないというと失礼かもしれませんが、従来のエルフよりはかわいらしい感じの絵柄です。兼高双一さんですか、個人的にはかなり好きな絵柄ですが、ほかの作品では描いてないのかなぁ。

それから3Dマップですが、敢えて移動など3Dマップにしたことでユーザ批判を読んでいるみたいですが、僕はプレイ時、その時発売されたばかりのPCでスイスイとプレイしていましたので、むしろ「スゲー」と思っていましたねー。特にOPデモ、海面スレスレを島に向かって視点が突っ込んでいくCGは正直かなり奮えました。こりゃー絶対やるしかねぇと思いました。



【キャラクター】
主人公も含めて全員声付です。なので感情移入ができない、という意見も散見されるようですが僕はたいして気になりません。まぁただ、主人公の竜一君のキャラがちょいとばかし弱いのは事実です。かといってそれを補うキャラがいるかといわれれば、高志も弱いし…過去の伊藤は熱かったけど。またエルフのレビューを書く際は必ずエルフお得意の奇人キャラについて書きますが、奇人らしい奇人もいないですね。強いて言えば大河内義昌なのですが、彼は奇人というよりは狂人といった方が近いんでねー。

一番かわいいのは宏美でした。本作のような暗い作品内では、あーいう爛漫なキャラはホント重宝します。それからストーリーの伏線におもいっきり絡んでいる若葉もそのシナリオがキャラクター性を思い切り押し上げています。しかしあかりは報われないなぁ…。


【音楽】
ここがちょっと弱いですね。おどろおどろしい雰囲気はよく出ていますが、きめどころに欠ける感じですね。


そんな百鬼です。
僕は隠れた名作だと思っています。このサイトをひととおり見て傾向が似ていると感じられた方は是非プレイしてみてください。





テーマ:美少女ゲーム - ジャンル:ゲーム