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エロゲ レビュー ブログ
【リフレインブルー】
リフレインブルー

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メーカーelf
シナリオ■■■■■□ 5.5
グラフィック■■■■■■■■ 8
キャラクター■■■■■ 5
音楽■■■■■ 5
清涼感■■■■■■■■ 8
総合【D+】 58点

大人のための絵本

「エルフノベルシリーズ第一弾」という触れ込みで、ソフトパッケージも本をイメージしたものになっています。しかし10年経った今もシリーズ第二弾が出ません笑

【シナリオ】
とある女性・深景とひと夏の恋に落ちたのは7年前、東陽学園サマースクールのバス添乗員として再びその地を訪れる主人公。サマースクールに参加しているヒロインたちとの淡い恋模様や、7年前に置き去りにしてきた思い出が交錯し、話は紡がれていく…のですが、タイトルのように良く言えば穏やかで、悪く言えばノベル形式なのも手伝ってかったるいシナリオでした。

現地での時間は5日間、選択肢の行動に応じて前半で特定の女性との進路が決まり、中盤以降個別イベントに入る感じです。ひとつひとつはさほど長くなく、比較的さっくり終わっていく印象でしたね。

各ヒロインルートは、一応それぞれにEDが用意されてはいるのですが、あくまで7年前の思い出の人「深景」シナリオへの伏線消化としての役割が強く、それが良くもあり、女子高生たちが踏み台にされているあたり虚しくもあり…です。が、しかし各ヒロイン、中には由織など深景の思い出を越えて結ばれるヒロインもいるのですが、大体は、数年後に再会する、手紙が届く、絵本を買うことで消息を知るなど、「恋人になってハッピーエンド!」というエロゲ王道路線からはずれている結末ばかりで、大人な感じを受けますね。


各ヒロインの攻略順は大体固定されており、彼女らのルートを通ることで、少しずつ深景との7年前の事実がユーザー側に提示されてきます。例えば、つらい思い出を封印して他人の語った思い出を自分のことのように語る津賀島つぐみルートを経ることで、主人公も深景がもう死んでいることを思い出す、つまり自分も自己の辛い記憶を都合よく封印していた事実に気づくなどですね。この仕組みは評価です。このように、非常に綺麗なタイトル通り、ゲームをリフレインすることで徐々にフィナーレに向かっていく作品です。そしてラストに深景との伏線を解消しきるルートがあってENDってな感じで、海外に一人たたずむ様な静かなファンタジーを読んでいる雰囲気です。

悪くはないですが、ちょっと盛り上がりに欠けたかな。よくいえば、静かで穏やかな作品ということになるんですけどね。あと、ちょいちょい出てくる謎の少女が深景であるというのもあまりにもわかりやすい伏線でしたので、もうひとひねり欲しかった気もします。


【グラフィック】
下級生スキーとしては、門井亜矢さんは思い出深い原画家さんです。彼女の絵というだけでプレイしたくなります。メインヒロインが下級生のみこちゃんにそっくりだというのもご愛嬌。塗りも背景もさすがのエルフで総じて綺麗です。

【キャラクター】
まず主人公が結構いいですね。年齢設定もじゅうぶん大人な年齢ですので、若きヒロインたちとの接し方もヘタレな感じではなく好感を持てます。ヒロイン勢ですと、特に突き抜けた魅力のキャラがいるわけでもなく、皆横一線といった感じ。皆心になんかしらの悩みや傷を負っていますので、どこか翳りのあるキャラが多いかもしれません。

【音楽】
音楽に力を入れてほしかったなぁと正直思います。サウンドノベルを謳う以上、エフェクトや一枚絵を前面に押し出さない読み込む形式に特化するわけですので、逆に言うとシナリオと音楽にかかる負荷が極端に大きくなるわけですからね。とはいえ、作品の世界観を壊すような意味ではないですよ。作品の清涼感には貢献しています。


てなわけで、リフレインブルーでした。
とてもなつかしい作品ですね。海をモチーフにした静かな作品です。ちょっとのファンタジー要素を味付けに、ラスト綺麗にまとまる大人が読む絵本といった趣きです。


テーマ:美少女ゲーム - ジャンル:ゲーム

【RANCE 5D ~ひとりぼっちの女の子~】
RANCE 5D ~ひとりぼっちの女の子~



メーカーALICE SOFT
シナリオ■■■■■ 5
グラフィック■■■■■■□ 6.5
キャラクター■■■■■□ 5.5
音楽■■■■■■■ 7
ゲームシステム■■■■■ 5
総合【D+】 59点

お手軽ランス

ランスシリーズ「ランス5」ですね。いやもうランスシリーズは大好きですよ。ランス、ってだけでプレイ確定というすばらしいシリーズだと思います。そんなランス5ですが、6年もの歳月紆余曲折を経て、Ver.4まで開発が繰り返されてしまったため、5"D"なんだとか。非常にライトでお手軽な作品です。

【シナリオ】
冒険中に異次元世界に迷い込んでしまったランス、シィル、あてな2号。ここを脱出するため、また最奥部「玄武城」に何故かとらわれている美少女を手篭めにするため、ランスがまたまた唯我独尊ぶりを見せつけつつも大活躍します。


サブタイトルにもあるとおり、本作登場のメインヒロインは玄武城にひとり捕らわれているリズナということになるでしょうかね。それから、冒険者バードにくっついてきて、やはり玄武城に迷い込んでくる御神籤ガール、コパンドンがサブヒロイン。

玄武城にはひとり人間が残らなければならない魔法がかかっているという設定を生かして、最後さっくりとバードをボコボコにして身代わりにするくだりはランスらしくて面白いです。シィルやランスを身代わりにしようとしつつも結果的にランスに救われることになったリズナ、バードの運勢を見限りランスの運勢に惹かれてゆくコパンドン、両者は結局シィルを選んだランスに最後ふられてしまうわけですが、次作以降への登場の伏線ともなっています。


ちなみに、この時点では当然まだわからないのですが、発見者の指名した対象を殺すために暗躍するレア女の子モンスター「復讐ちゃん」の、次作への伏線はチョイ感動的ですよ。5Dでランスは、バードに復讐対象として指名されてしまったため一方的に襲われまくり、死んだフリなどしてやり過ごすのですが、6でやはり登場する復讐ちゃんとはH含めけっこう仲良くなるのですね。で、期限切れによりランスの前を去らなくてはならなくなった復讐ちゃんの最後のセリフが、「もしランスが今後復讐の対象になっても殺したくないから、死んだフリでもしてくれ」ってモノなんですね~。ランスたちにとっては5D⇒6が時間の流れなんですが、復讐ちゃんは6が先で、リセット後異次元世界である5Dで再登場するという流れなんです。こういう時間を超えた伏線は好きですよ。


廉価版のライトな作品ですので、ストーリーも軽ければゲームシステムもサイコロの目でルーレット式に運まかせで進んでいくという今までにないようなシステムをとっています。なんというかコレが実に微妙で、斬新で面白いといえばまぁそうなんですが、結局運まかせなんでゲーム性はあるようでないんですよね。まぁ僕はゲーム性よりもシナリオ展開の面白さのほうが重要なので然程気になりませんが、ゼス崩壊や戦国のようにゲームとして燃えたい!って人にはあんまりおすすめできないかもしれませんね。


【グラフィック】
織音さんが原画から塗りまで何から何まですべてやったとか。以降中心になっていく織音ランスの第1作目ということになりますかね。織音さんの絵は結構好みが分かれるらしいと聞きますが、本当なのかな~?僕はこの人の絵がエロゲ原画師さんの中でも1,2を争うくらいにメッチャクチャ好きなので万事オーライです。


【キャラクター】
このシリーズでは新ヒロイン格として、リズナ・ランフビットとコパンドン・ドットが出てきます。これがランスシリーズのいいところですよ、今後につながる新キャラの登場です。このふたり、その後の「ゼス崩壊」にも「戦国」にも出てきますんで(戦国のコパンドンは後方援助でしたが)、継続的な登場は期待できるでしょう。特にリズナは、金髪で着物という外見と、エロエロ騙され天然少女という設定から、ユーザー人気も高いようですねー。

ランスは相変わらずです。つくづく思いますがこのキャラクターを生み出しただけでもアリスソフトは偉大ですよね。また彼は傍若無人でありますが、実は馬鹿こそやるものの頭もいいし、判断力にも優れています。そこらへんの設定も軽いシナリオながらもしっかり描けていますね。


【音楽】
Shade氏は非常にハードビートのロック色あふれる曲を作るので、エロゲ界では異色です。もちろんそれはランスシリーズにはバッチリ相性で今回もよく出来ています。デモでも使われている、戦闘「Trns Beat?」後半のギターやばかこいいっす。


ま、1日で終わってしまうようなお手軽版なんで評価点は敢えて低めにつけていますが、廉価版らしく綺麗にまとまった作品です。アリスソフトらしい遊び心や肩の抜け具合、それでいて仕事は裏切らない面はしっかり出ていますよ。



テーマ:美少女ゲーム - ジャンル:ゲーム