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【リアル妹がいる大泉くんのばあい】
リアル妹がいる大泉くんのばあい



メーカーALcotハニカム
シナリオ■■■■■■□ 6.5
グラフィック■■■■■■■ 7
キャラクター■■■■■■■ 7
音楽■■■■■■■□ 7.5
友人の存在感■■■■■■■■■ 9
総合【C+】 69点

堂々と実妹攻略

2010年発売の中ではダークホースといいますか、意外なまでの名作ということで共通意見を持たれている本作です。基本的に長編大作ばかりをプレイする僕ですが、たまにはこういう軽いノリで進むミドルプライスのゲームもいいですね。


【シナリオ】
主人公の大泉涼は、親友の妹尾彰とともに妹モノのエロゲーが大好きな高校生。そんな二人にはそれぞれに実の妹がおり、共に軽蔑の目で見下されています。ある晩、涼お気に入りの妹キャラ「麻衣」が登場しているゲームをプレイしていると、これまで存在が確認されていなかった独自のルート展開を見せます。麻衣が画面の外にいる涼に話しかけてくるかのような展開はそのゲームに無いはずのルート、さらに翌朝、寝ていた涼を現実世界で起こしにきたのは、当の「麻衣」ちゃんであり……。


といったあらすじ。以降、涼、涼の妹である栞、麻衣との3人生活が始まります。学校では彰と妹の美紀、それから何故か涼と彰を敵視するバスケ部の古賀君、このあたりが登場人物のすべてですかね。

プレイしていて思ったのは、なんといいますか……エロゲーマー心をくすぐるテキストですね笑。「そうそう」って納得してしまう場面や行動が随所に散りばめられていて思わず笑ってしまいます。ただ、妹がゲームから出てくるというトンデモ設定があり、しょっぱなから友人彰のギャグが冴え渡っていますので、そのままギャグ路線で突っ走るかと思いきや、家庭事情や、兄妹の関係に何かありそうな伏線が少しずつ提示されていくところに光るものがあります。


攻略ヒロインは美紀麻衣、そして。美紀ルートは親友の妹とくっつく王道展開。麻衣ルートは栞ルートへの伏線、そして実妹の栞ルートが本作TRUE展開といえましょう。最も話が良いのはやはり栞ルートであり、両親の離婚問題と絡めて、麻衣出自のからくりや、近親相姦というタブーを、彰や古賀をはじめとした周囲の人間の協力をスパイスとして使うことで非常に熱く描いています。

うまいのは、この最終の栞ルート、視点が栞と麻衣にうつるところですかね。前のルートで既出の同じ場面でも、栞や麻衣の内面吐露が新たに加わっているところ。ああこの場面では実はこんなことを考えていたのか、というのがここへきて初めてわかります。


残念だったのは、麻衣ルートがあまりにも微妙な立ち位置だったかな。実妹である栞との話が重く、また圧倒的に力が割かれていますので、ゲームのキャラが出てくるという大仕掛けであるはずの麻衣が少し宙に浮いたような存在になってしまっています。実際、彼女が父親の再婚予定相手の娘である「舞」、という伏線はすべて栞ルート内で明かされますので……まあただ、彼女のそのカラクリの絡ませ方は、非常に切なくてラストで生きてきましたので良かったですけどね。

まぁ、他にも話に食い込む伏線を持っていそうなキャラ古賀君がただのガチホモだったり(笑いましたが)、短さゆえの肩すかしな場面もたくさんあったにはあったんですが、ライトなシナリオゲーということを割り切って、大きくまとめようとしないことで失敗を避けたところは逆に良かったのかな。

ただ正直いうと、主人公が妹凌辱ゲーが大好きという設定と、後半のシリアス展開や兄妹の美しい絆を前面に出したシナリオとのギャップがあまりにも乖離してしまっていたのも事実。いやこれは前提を覆すことなのでどうしろとは言いませんが笑、もう少し尺や設定をどうにかすることで違和感を薄めることはできたんじゃないかなと思ったりもします。


光っていたのは最後の演出でしょう。「こう言おう、俺の妹に生まれてきてくれて」と、最後まで言い切らないテキストと、それに続くED曲の歌いだしの歌詞が「ありがとう」とはなかなか鮮やかじゃないですか。そしてエンドロールの後、主人公、栞の二人と舞がすれ違うエピローグから、3人を収めたその構図の一枚絵でメニュー画面に切り替わる演出。いやね、エピローグがいいというのは事前情報で伺っていたんですが、いやはや、本当に良い演出でした。ここでの穏やかなBGMもいいすね。

本作品をユーザーに「良かった!」と言わしめるのはまさにこのたった数行、時間にして数十秒のこの場面があってこそです。


【グラフィック】
原画は全体的にかわいく綺麗に描けています。枚数的には、シナリオ量的にも過不足なくといった様子でしょうか。美紀は凄くかわいいんですが、他キャラは立ち絵が若干微妙ですかね。一枚絵の方が全体的に良いです。


【キャラクター】
実妹の栞、ゲーム妹にして父親の再婚相手の娘である麻衣、親友の妹である美紀、と3ヒロインいますが、どことなくけいおんのあずにゃんとかぶる栞がやはりシナリオの重さも相まって一番魅力的だと思います。実はデレ妹という王道設定もまた良し。個人的には美紀も好きですけどね。

しっかし彰の爆裂妹至上主義には頭が下がります笑。やれ妹の尿を飲めだのやれ妹の寝取られゲーを叩き割るだの、彼の妹に対する愛情はもはや神の領域。それでいて実の妹には頭が上がらないところがいいキャラ設定ですね。ここまでギャグ要因として立っているのも爽快感すら覚えますわ。エロゲユーザー代表みたいなキャラ設定ですんで、セリフがいちいち面白く、出てくるたびに笑いを投下していきますからね。彰と美紀のやりとりとか鉄板でしょう。それでいて本当は美紀思いで心底大切にしているところも熱いんですけど。また、リアル妹がいることで主人公たちを妬んでいただけだったり、ガチホモになってしまったりとギャグ要因でしかなかった古賀君にも熱い見せ場がありますし、美紀も栞思いでナイスアシストしますし、基本的には全キャラ良い人たちです。


【音楽】
なにげに全体的に音楽いいんですよね。中でも、上記したエピローグで流れる「はじまりの唄」が抜群。ん、「はじまりの唄」というタイトルなんですね……舞の新たな人生、そして主人公、栞の二人の生活のはじまりの唄か…、あざといな。だがそれがいい。

それから、ちょっとアレンジはイマイチですがメロディが良い「ひたむきに、涼やかに」も印象に残りますね。熱いシーンで流れる曲なので。OP「Your little sister」、ED「Dear my precious」ともに片霧烈火さん。作風に合ったアップな曲調で良いです。


以上、リアル妹がいる大泉くんのばあい、でした。
しかし最近は実妹と関係を持つゲームが普通に見られるようになってきましたね。良くも悪くも……ですか?



テーマ:美少女ゲーム - ジャンル:ゲーム

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