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【終末の過ごし方】
終末の過ごし方



メーカーアボガド・パワーズ
シナリオ■■■■■ 5
グラフィック■■■■■□ 5.5
キャラクター■■■■□ 4.5
音楽■■■■■■ 6
寂寥感■■■■■■■■ 8
総合【D】 53点

語らない美学

変わったソフトをサクッとやりたいなーと思った時に勧められてプレイしてみた「終末の過ごし方」です。確かに半日もかからずにサクッと終わった上に、設定がド変化球の作品でした。1999年4月発売の終末ものなので、ちょうどノストラダムスだなんだと終末ブームが過熱していた時期でしょうかね~。

【シナリオ】
週末に訪れる世界の終末。でも「スワンソング」や「クロスチャンネル」的な退廃的大作を期待しちゃいけんです。何もかもがあっさりしています。ただ、その"あっさり風"に敢えてもっていくという、上記2作とはまた違うアプローチを以って退廃感を出すことに成功しています。これは評価できる。短い制作期間と、色々なあるべきものを削ぎ落としたテキストで逆に「終末の過ごし方」という世界を確立させているのは、見事でした。

ただ、雰囲気作りの一点突破にはベターだったとはいえ、それはつまりシナリオやキャラの薄さにもつながるわけですから、まぁ隙間にプレイするライトなソフトってイメージがどうしても強くなってしまいますよね。それは致し方ないところですし、制作側もわかっているところでしょう。


基本的には世間が終末を受け入れたその後の世界の話なので、とても穏やかです。ただ、毎日冒頭に流れるDJ WALKのラジオ番組、これが世界が終末に向けて動いているということを実感させる唯一の媒体となります。日常生活場面で、何か狂気的な描写が描かれたり、残酷なシーンが描かれることは全くありません。あくまで語らない美学を貫き通しているのですね。作品スペックからするとこの判断は◎。

もう通わなくてもいい学校になんとなく通ってしまっている主人公のメガネが、憧れているクラスメートのメガネや、幼馴染のメガネ、心臓病のメガネなどと最後の週末に心を通い合わせるゲームです。


【グラフィック】
線が細く薄い塗りの水彩画調のグラフィックで、儚げです。これといって好みの画風でもないのですが、高橋しんみたいな印象をちょい抱かせます。終末という意味では「最終兵器彼女」の影響を受けている感じです。

あ、でも時期的にはこっちのが早いのか。 え、それって凄いことかも。


【キャラクター】
終末もので何故全員メガネなのかが激しく謎ですが、そこは考えてはいけないとこなのでしょう。唯一主人公の男友人でメガネをかけていないのがいるのですが、こいつもコンタクトです。ヒロインのうち二人は主人公と結ばれるわけでもなく、サブキャラと結ばれます。また、メインヒロインと思しき優等生風メガネっ子が援交経験者であったりと、実にひねくれた設定を起こしてきています。ま、まぁ、この作品を純愛系大作として心待ちにしていた人ってのもレアケースだと思いますし、ここは受け入れましょうね。

メガネっ子好きにはたまらない設定なのでしょうか……取り立ててメガネ好きではない私にはわからない世界です。縁のあるオシャレメガネとかは大好きなんですけどね~、普通のガリ勉メガネばっかなんだもん。

その中でもキャラが良かったのは、まぁ強いて言えば保健室を診療所として開放している留希先生でしょうか。彼女のあけすけな性格は、この終末を迎えようとしている世界にとって少し浮いており、だからこそ大切にしたくなります……が、彼女はサブキャラとくっついてしまいます。


【音楽】
音数を必要最小限まで少なくした音楽、空きすぎている間が非常に寂しく、終末感を否が応にも煽ります。この作品の中では、音楽が一番評価できるかな。


以上、終末の過ごし方でした。終末もののゲームは根強いファンが多いですが、この作品も例に洩れずファンが多そうですね。ちょっと空いた時間や大作と大作のつなぎにはいいと思いますです。



テーマ:美少女ゲーム - ジャンル:ゲーム

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