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エロゲ レビュー ブログ
【ゆのはな】
ゆのはな



メーカーPULLTOP
シナリオ■■■■■■■ 7
グラフィック■■■■■■■ 7
キャラクター■■■■■■■■ 8
音楽■■■■■■■ 7
雪の田舎町■■■■■■■■■ 9
総合【B】 72点

ぬくいゲーム

シナリオ、グラフィック、キャラクター、音楽、どれをとっても程良くて、初心者向けな作品だと思います。大作名作とは言えないけどとても温かくて雰囲気が良い、主人公はまっすぐで、ヒロインたちは優しく可愛く、サブキャラたちがとても濃い。バランスの良い作品であるといえるでしょう。

【シナリオ】
とある東北の田舎町でバイク事故に合い瀕死の主人公草津拓也。そんな彼を助けたのは、自称「ゆのはな町」土地神である「ゆのは」なる少女。しかし彼女は救った命と壊した祠の代償として、高額な金銭を要求してきます。断れば身体の修復は無に帰し、祠の修復がなされないと町自体が豪雪に飲み込まれるとなかば脅迫に近い形でその要求を飲むことになる拓也、ゆのはな町で銭湯を営む伊東家に居候させてもらいながらバイトに精を出すはめになります。

シナリオは丸谷秀人さん、ボリュームのある文章をテンポよく軽いノリで読ませ、日常シーンを描くのがとてもうまい方ですね。ゆっくりとまったりと進んでいくシナリオと、優しいキャラクターたち、柔らかみのある音楽と絵で、作品全体をポカポカした温かな雰囲気が流れています。東北の田舎町という設定もいいですね。雪深い町が舞台であるからこそ、その温かみが余計際立ちます。


銭湯でのバイトを選べば無邪気で純粋なわかばと、酒屋でのバイトを選べば隠れ小説家の椿と、喫茶店でのバイトを選べばエロ女王穂波と、電気屋のバイトを選ぶとイタリア戦艦オタクの尚樹…これは選べません。各ヒロインとのバイトやバイト後のちょっとしたイベントなどを通して親密度を上げて、だんだん恋に落ちていく…という日常パートをベースにした、丸谷さんらしい作品です。


わかばルートは、彼女自身まったりしているのもあり、全シナリオの中で一番まったりと起伏もなく終わります。ある意味ゆのはなの真骨頂ともいえる穏やか~なシナリオですね。ただ、彼女のエピローグが実は一番好きで、ゆのはな町という狭い世界で一生を過ごしていく考えを当然のように持っていたわかばが、拓也のもとへ上京してくるラストシーンは何だか感慨深いものがありました。

椿ルートは、実は超売れっ子ライトノベル作家である彼女の苦悩を癒すルートです。ただひたすら悩み凹む椿を追うルートです。なので途中はかなり重くなってきますし、エロシーンなんかも彼女の現実逃避の場として描かれたりするので、非常に閉鎖的なルートといえるかもしれません。まぁそれを二人でゆっくりじっくり解決していくのもゆのはならしくて良いです。ラストシーン、良かったですね。琴姫みのり(椿さんのペンネーム)の新作「ゆのはな」、いいじゃないすか。

そして穂波ルート。このルートは他2ルートに比べるとストーリーに仕掛けのあるルートでした。豪雪に見舞われるゆのはな町を鎮めることのできる巫女役が穂波だといいます。しかしラストはゆのはがその身を犠牲にして代わりに止めてくれます。…とあるのですが、ひときわ濃かったエロシーンが印象的だったもんで、そっちのが記憶に残ってるんですよねぇ。。。

3人を攻略したのちに、ゆのはルート攻略可能で、ゆのはの生い立ちがすべて説明され、わかばの祖母みつ枝や、椿の祖父渋蔵などが絡んだ伏線が消化されます。最後はとてもすっきり終わりますね。

ちなみにエロシーンはあってないようなもの…と思っていたのですが、穂波ルートだけ何故かやたら濃い。わかばと穂波で4,5倍くらいの差があるんじゃないでしょうか。ここらは統一してほしかったし、さらにいえば穂波ルートのエロシーン、実に質が良いんすわ…わかばでも同質のものを作って欲しかった~泣



【グラフィック】
原画は藤原々々さん。ふじわらわらわらさん?柔らかいタッチの絵で、作品によく合っています。ちょいとエロシーン向きの絵ではないですけどね、でも穂波はエロい。わかばがそのキャラクターも相まって非常に画風とかっちりはまっている感じがするな。

【キャラクター】
主人公拓也は、単純直情型のバカですが、非常に好感の持てる男です。しかし男キャラでいえば椿の祖父、渋蔵が最もかっこいい。いちいちしびれるセリフ、グッとくるセリフを吐きます。わかばの祖母みつ枝もいい味だしていて、要所要所で言う達観したセリフに感動させられましたね。

サブキャラが非常にいい味出していますが、これは丸谷パワーなんですね。彼は日常を彩る力に長けている、即ち魅力的なサブキャラを生み出す力に長けているということと同義です。

ギャグ面では、電気屋の主、尚樹が圧倒的でした。イタリア戦艦マニアの彼は、語りだすとテキストが「・・・(略)」とかになっても音声だけは延々と喋り続けています笑。

欲を言えば、サブキャラがとても魅力的な本作ですが、さらにその外にいるような脇役、ストーリーにたいして絡まない町の一般人たちをもう少し登場させれば、より町ぐるみの温かい感じが出たんじゃないかなぁと思います。あと、ゆのはの守銭奴ぶりがホントに凄くて、「かわいいもんですよ」とかってレベルを超越しているので、そこで感情移入できるかどうかの差が出そうですね。

ヒロイン格の中では、わかばが圧倒的に好きでしたが、いかんせんシナリオが薄い。。。シナリオは穂波⇒椿⇒わかば、でしたが、キャラのよさはその真逆であるよう思えます。そこらへん普通連動するもんですが、ちょっと珍しいケースですかね。



【音楽】
穏やかな曲ばかり。静かな町、穏やかな人、それを丁寧にあらわした音楽です。
といった曲群の中でも、わかば、椿ルートでゆのはと皆が再会を約束するシーン、泣けない穂波が感情を溢れさせるシーンで流れる「満ちる季節」、これが異色であるとともに群を抜いて良いです。PULLTOPは、こういうロック調で揺さぶる曲を1曲入れてくるんですよねー。


以上ゆのはなでした。
根強いファンも多い作品です。




テーマ:美少女ゲーム - ジャンル:ゲーム

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